リンダリンダリンダ

nununununu2006-07-24

昨日寝る前に観た犬童一心の『タッチ』には何の感情も動かされなかった。ストーリーを展開させるために必要な場面を重ねているだけで、映画としてはぴくりとも動かない。それに比べて、今日観た『リンダリンダリンダ』は最後まで立ち止まることのない、躍動感あふれるよい作品だった。『タッチ』では、エキストラがいちいち存在感があったり、小道具の位置がいかにもそこに置いたという感じがしたりして、つねに撮影されたシーンとして観てしまうのだが、『リンダリンダリンダ』は、そういうふうに意識させない。そういった配慮がじつは映画の良し悪しをかなり左右するのではないか。というか、意識させないのは前提だろうけど。学園祭でもぐら叩きが出てきて、『翔んだカップル』の名シーンへのオマージュか?とも思ったが、どうだろう。相米慎二だったら『タッチ』をどう描いただろうか。犬童『タッチ』のような同時代性を欠いた作品にはならなかったはず。これから、『タッチ』と同じ2005年に撮られた犬童一心『メゾンドヒミコ』を観てみます。
細馬さんの本が、読売新聞の書評で取り上げられていました。http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20060724bk09.htm