松ちゃん

nununununu2005-07-24

京橋に用事があったので、ついでにフィルムセンターを覗いてみると『尾上松之助と時代劇スターの系譜』なる展覧会が開催されている。彼の名前は聞いたことがあるけれど、どんな人なのかは殆ど存じない。丁度ギャラリートークが始まるところだったので、ためしに聞いてみることにした。学校の課題なのだろうか、20歳前後の女子がやたらといて意外。歌舞伎役者だった松之助は、「日本映画の父」牧野省三にスカウトされて映画役者として人気を博すも、平行して芝居も続けたそうで、京都では、同じ題目の映画と芝居が同時期に観れたそうです。愛称は目玉の松ちゃん。主演映画を観てみたいけど、ビデオ化されているのかなあ。
ギャラリートーク終了後、別のフロアにある映画館の開演時間が迫っていることを知り、誘導されるように入場。『発掘された映画たち2005』という企画で、この回は二本立て。まずは1932年作品の『愛と憎しみ 涙の惨劇』。無職の男は公園で会った乞食に同情して家で面倒をみることにしたのだけど…。実際にあった「玉の井バラバラ事件」という怪事件を映画化したものだそうです。名作! 上映中に地震があったのだけど、天井の軋む音がやたらと響いて聞こえて、あれは怖かった。よりによって無声映画なんだもんなあ。次は1936年の『乙女橋』。村と村の間にある川を渡るには橋がないので危険がともなう。ある日少女が川に転落して命を失うのだけど、彼女は保険に入っていたので、そのお金で橋が架けることができた、メデタシメデタシというお話。企画は簡易保険局…。
ついでに最近観た映画作品はというと、ロベール・ブレッソン『スリ』、フランソワ・トリュフォー突然炎のごとく』、『キングコング』、アニエス・ヴァルダ『落穂拾い』、アントニオーニ『女ともだち』、岡本喜八ダイナマイトどんどん』、でした。『スリ』の手際の良さが印象的。『女ともだち』はそれほど期待していなかったのだけど、よかった。音楽もGOOD。