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はちみつぱいの未発表音源を集めた9枚組（!!）CDBOX『THE FINAL TAPES はちみつぱいLIVE BOX 1972-1974』のデザインを担当しました。監修の小川真一さん、スーパーフジディスクさんのご好意により、以下にブックレットの巻頭言を転載させていただきます。

　これはひとつの事件だと言ってもいい。考えてみて欲しい、もしも地球の大きさが、さらに10倍ほどの広さがあると判ったとしたら。今回のこのCDボックスの発売は、これと同じくらいの衝撃力を持っているのである。
　はちみつぱいは、71年から74年にかけての活動期間の間に、たった1枚のシングルと、たった1枚のアルバムしか残していない。活動の長さに比べ、それはあまりにも少ないと言えるだろう。おまけに、73年に大傑作アルバム『センチメンタル通り』を世に出したかと思うと、その1年数か月後には解散してしまう。はちみつぱいが?幻の?といわれる所以は、このあたりにあるのだ。
　その?幻のはちみつぱい?の音源が、一挙にCD9枚分も加わったのだ。今回新たに発掘された膨大なライヴ・テープの中から厳選されたものばかり。これだけ大量のアーカイヴが出されるということは、未だかって日本ではなかったはず。タイムマシンでも発明されない限りは耳にできないだろうと諦めていた音源ばかりなのだが、この発売によって日本のロックの音楽地図は大きく塗り代わっていくだろう。
　彼らを日本語のロック・バンドとして捉えた場合、はっぴいえんど以上の衝撃を与えてくれたのではないかと思っている。ロック（洋楽）を日本語で歌うという単純な範疇に止まらず、さらに大きな共感を投げ与えてくれた。それは、灰色にくすんだ絶望であったり、飲んだくれた朝の空しいほどの静けさであったり、このロックでしか表現の出来ない何かを、はちみつぱいの連中は誰よりも早く手中に収めていた。
　いかんせん、それを知るための手がかりが少な過ぎた。文字だけでは彼らの演奏ぶりは、まるで伝わってはこない。35年近くも待たされてしまったけれど、やっと扉が解き放たれた。唯一のアルバム『センチメンタル通り』だけでは知り得なかった日本語のロックの真実が、ここに全てが明らかになる。
　これは、日本のロック・バンドが、無邪気に明るく、そして明確な意志を持って、最高に美しく輝いていた時代の記録である。はちみつぱいの伝説は終わった。そして、ここからもう一度始まっていくのだ。（小川真一）

アマゾンですでに予約受付中。

THE FINAL TAPES はちみつぱいLIVE BOX 1972-1974

ディスクユニオンで予約をすると、さらに以下の特典が！（太っ腹）
・写真家・井出情児撮影「はちみつぱい1972-1973」ほとんど初出となる全252点を収めたディスク
・未収録ライヴCD「1973年(日時不明)渋谷ジァン・ジァン/全11曲」
（※音質面で若干難点があり今回収録は見送られたもの）
http://diskunion.net/jp/ct/detail/IND3800

某日、ABC本店でSTUDIO VOICEのトークショー：宇川直宏／岸野雄一／三田格／ばるぼら／湯山玲子／松村正人（どこかで宇川×ばるぼらやってくれないだろうか）。nuの取材としてNさんインタビュー（但し、掲載は某誌）。三鷹の阿波踊りを見物。K8さん一家とのらくんと逗子の海の家で友部正人。吉祥寺のくぐつ草でnuにご登場いただくMさんとカレーセット。三鷹市芸術文化センターで念願の立川談春！（首提灯／汲み立て／桑名舟。ただただ圧倒。枕で先日みた大曲の花火があまりにも凄くて見ているみんなが涙流しながら半狂乱だったとのことでYouTubeで見たらたしかに凄い。しかし音楽が…）。N本、S本、入稿。

ひさびさにタワーでお買い物。三田格監修『アンビエント・ミュージック1969-2009』（タワレコだとCD付）、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ『セ・ラ・デルニエール・シャンソン』（3枚組／全237曲!!）、ピアソラの10枚組（1300円!!!）。アマゾンで西村賢太『瘡瘢旅行』。

アンビエント・ミュージック1969-2009(STUDIO VOICE BOOKS)

セ・ラ・デルニエール・シャンソン

Astor Piazzolla

瘡瘢旅行