早朝リュックサックしょってんだ 世界中に「はーい」

nununununu2007-09-27

9/22 法政大学にてCRJ-TOKYOのイベント。ホース、灰野敬二さんを鑑賞(MASは間に合わず…)。DJに佐々木敦さん。
9/25 たまプラーザにてとある作戦会議。六本木のスーパーデラックスにてLause、AVVA(billy roisz +中村としまる)、オペラ南十字星(飯田克明、宇波拓、杉本拓、中村としまる)のライブを鑑賞。(写真はオペラ南十字星

岡村靖幸が復帰後はじめてステージに立った東京環境会議でのライブがYoutubeにあがっていた。「ア・チ・チ・チ→聖書(バイブル)」というメドレーは以前「NESW23」に出演したときと同じだ。この曲に伝えたいものがあるのだろう。岡村の代表曲のひとつである「どぉなっちゃってんだよ」の最新版と言えなくもない。
1990年の〈どぉなっちゃってんだよ〉から14年を経て、ついには〈やべえな えっマジ?〉(「ア・チ・チ・チ」より)へと危機感が増した変遷も興味深い。まず2曲とも〈everybody〉との呼びかけがあり、「ア・チ・チ・チ」では呼びかけの後に以下のMCが入る。「えー、君に伝えたいことがあって、簡単に言うとね、どういうことかって言うと、あの、その……LET'S GO!!」。そして演奏が再開される。それは、伝えたいことは簡単には言葉に出来ないということであると同時に、〈しょっぺえ〉このご時世に、〈ワンパクが萎んじゃってる〉ような〈フリーランスのペンペン草〉や〈へそ出し〉する(多分)若者たちに〈出来無い日々脱出、構わない服で外出〉を促すための「LET'S GO!!」でもあるだろう。
“マンガ”というタームも出てくる。「どぉなっちゃってんだよ」の〈読んだ本は全部マンガばかりで 次の日全部忘れちゃう〉は、まだフリーターがお気楽な立場でいられた時代背景が伺える。「ア・チ・チ・チ」の〈漫画読んだっていいんだ 今、仕事も忘れて寝そべって〉は、はからずもネットカフェ難民を連想させる。
また〈どぉなっちゃってんだよ 人生がんばってんだよ ベランダ立って胸をはれ〉と〈明け方、MYベランダ、赤面するポンフェロー自治体〉のように、“ベランダ”というタームも登場する(ついでいうと〈赤面するポンフェロー自治体〉がライブでは〈激変する〜〜自治体〉と聴こえる)。佐々木敦『ソフトアンドハード』によると、岡村は週に数回のペースでレコード屋へ通い、宇田川町近辺でよく目撃されたそうであるが、しかし、10代から芸能界でキャリアを開始した岡村にとっては、現実よりも、想像を逞しくしながらの“ベランダ”からの眺望にこそリアルな世界を見るのではないか、と想像したりもする。その場所は身の安全を確保できる自分の陣地であると同時に(もし階数が高ければ)死と隣り合わせの場所でもある。そこは岡村にとっての、もうひとつの“ステージ”ともいうべき神聖なる場所であるのかもしれない。
仲が良かったという尾崎豊と共演したときの映像もYoutubeにあったので観てみた。先日放映されたテレビの特番でも思ったが、尾崎は熱中すると周りが見えなくなってしまうような一本気な人だったのだろう。それと比べると岡村はノリつつも冷静に俯瞰で状況を把握している印象がある。尾崎と岡村は高いテンションでステージを駆け巡るのだが、終盤で尾崎は勢い余ってステージからジャンプして降りてしまう。岡村はつられてステージを降りることはしない。そこで踏みとどまれるかどうかの差は、たぶん大きい。バブル絶頂期の90年に岡村は問題作『家庭教師』を発表。尾崎は92年に亡くなった。2007年の10月後半には、岡村の復活ツアーが控えている。
http://jp.youtube.com/watch?v=eNCw11OTY1g