文化としての科学/技術

nununununu2004-12-29

図書館で借りた村上陽一郎『文化としての科学/技術』読了。神の創造の神秘として発見された自然の法則が、次第に研究者の内的欲求を満足させるためのものになった。それは小さなサークル内でのことだったが、20世紀はじめにノーベル賞が制定されると、内的欲求を満足させること以上に、受賞によってもたらされるメリットを重視するようになり、次第にそれは国家レベルとなった。例えば、科学者は自分の発明がどう使われるのか責任をもつべきなのか。どう使われようと知ったことではない、といえるのか。というようなお話がメイン。
他に興味深かったのが、理科の授業について。科学のプロフェッショナルを育成する為に、みんなが関心を持てないような授業内容にして、ふるいをかけているそうだ。数学なんかもそうなんでしょうね。教育がそんなだから社会が歪んでいるんだろうな。あと、エコロジーとよくいうけれど、それは自然の問題ではなくて、人間の問題なのだ、というのも、当たり前のことながら、言われてみるとハッとする。
他にも読んでみようと思う。

この前日誌に書いた『コンラッド』の編集長が西島大介さんとウェブマガジンを共同運営していて、そこで佐々木さんインタの抜粋が読めます!
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