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nununununu2004-09-21

神田近辺で開催されている「セントラルイースト」という企画のシンポジウムに行った。

出演:宇川直宏×箭内道彦×佐藤直樹 http://www.centraleasttokyo.com/

どうやら地価の下がっている神田近辺の物件を提供してもらい、アートでまち起こしをする、というものらしい。
アーティストによってはどこであろうと表現の場が得られればうれしいかもしれないし、まちとしてはやり方は何であろうと経済効果が見込めるのであれば歓迎なのかもしれない。ただ、それは交流とはいえないだろう。

シンポジウムではまず、いま活躍しているデザイナーがまちのお店の広告を無償で提供するという企画の作品紹介があった。作品は30点くらいで、デザイナーはガスブック周辺の人たちが多いかな。お店側に歓迎されるとは思えない作品が大半というのが正直な感想。多忙なデザイナーに神田近辺のお店の広告を無償で作ってといっても、よほどそのお店に思い入れでもない限りハイクオリティは望めないだろう。デザイナーが普段利用するような渋谷などのお店だったら違ったとは思う。

神田がいま必要としているのは本来の意味でのデザインであってアート的表現ではないだろう。シンポジウムを聞いた限りでは、若者に人気のあるアーティストが自らの表現を押し付けたかたちになっているように思えた。極端にいうと、神田のよいところを引き出すのではなく、場所を利用しただけ、という見方をどうしてもしてしまう。宇川さんは、コミュニケーションがお題ということで、デジオナイトやミクシィについての発言をしていた。それは「セントラルイースト」とは対極にあるコミュニケーションのあり方だろう。『nu』でのシロウトの話とも繋がってくるだろうし、またお話を聞いてみたいものだ。『nu』での中原さんの発言でもあったけれど、いいものは隙間にしかない、とあらためて思った。