meme

次号の「新潮」は、東浩紀さんや大谷能生さん(!)の小説が掲載されるそうで、たいへん楽しみですが、いま出ている号の山城むつみ「連続するコラム」はかなり刺激的だった。以下、意味不明かもしれませんが、メモとして。

如何なるものも商品か貨幣に振り分けてしまう不可視のOSが走っている。
(以下、『カラマーゾフの兄弟』より)
「神がいないのだとしたら、
そんなありもしないものに途轍もない信念と力を捧げて空費させたのは誰か」
「たぶん、悪魔が」(←ブレッソンの映画のタイトルでもある)
(むろん悪魔など実在はしない)
「そんな奴は縛り首にしろ」
「でも、そいつが神をでっちあげなかったら、文明も、
ほら、そのコニャックだってなかったでしょうね……」
実在はしないのに「たぶん」として人を愚弄して来た悪魔、とは何なのか──。
『たぶん、悪魔が』の次には、ある貨幣が一人のおとなしい青年を斧による惨殺へと
巻き込んでいく『ラルジャン』が控えている……。
映画がますます見たく(なく)なった。

そういえば、東浩紀さんは先日のトークショーで、今度の小説を「読んでも面白くないですよ」と何度か言っていたが、「じつは自信作なんですよ、ぜひ読んでください!」みたいに言ってくれたら、事態はなおいっそう面白くなったかも、とふと思いました。「キャラクターズ」は、評論家としての東浩紀が考えに考えて書いたもので、新作は、素の東浩紀が書いた、というふうに言っていました。それを面白くないと言ってしまうのは、本音にしろ謙遜にしろ、それが一手としてではないにしても(だからこそ)、ちょっともったいないような? 

いま出ている「論座」で、その東さんと、「フリーターズフリー」の大澤さんと「エクス・ポ」の佐々木さんで鼎談しています。そういえば、FFのデザインを担当するきっかけとなったのは、「大谷能生フランス革命」(杉田さんがゲストで出演されてた)でしたし、山城むつみさんは、FFのメンバーに教えてもらって「新潮」の連載を読むようになったのでした。そして、いままさにFFの対談集『フリーター論争2.0』の校了を控えているところです。メンツは、雨宮処凛赤木智弘城繁幸貴戸理恵、小野俊彦、生田武志大澤信亮栗田隆子杉田俊介 ほか。人文書院より5月中旬発売予定です(写真はFF1号)。

先日入学届けを出したミームデザイン学校は、無事受理されまして、この4月から晴れて学生に。1年間、通えるか今からちと心配ですが…。そういえば、佐々木敦さんはmemeという激渋レーベルをむかしやっていました。sukoraとか買いました…。