レクイエム?

nununununu2005-04-02

篠原章『日本ロック雑誌クロニクル』を読んだ。クイックジャパンでの連載をまとめたものだ。帯には「壊滅した日本ロック雑誌への鎮魂歌」とある。阿木譲のレーベルVANITYに興味をもった頃に、ちょうど彼のインタビューが掲載されていて、興味深く拝読したことはあったのだけど、それ以前の記事は未読であった。自分は音楽雑誌の編集に携わったこともあるし、この日記も自ら発行した本(『nu』)の業務日誌として書いているわけなのだけど、ふだん音楽雑誌を読むことはあまりない。そんな自分がこの本を楽しめるのだろうか、という不安もあり、なかなか手をつけられずにいたのだけど、読みはじめたら止まらなくなった。中村とうよう渋谷陽一ってよく耳にするけど、こういう人だったのかあ。『ミュージック・マガジン』や『ロッキング・オン』をちゃんと読んだことはないのだけど、関心が持てなかった理由も、支持された理由もわかった気がする。読まなかったのは、読む必要がなかったのだ。
僕が読んでいた(いる)のは、『レコード・コレクターズ』、『スタジオボイス』、『ロック画報』、『バウンス』といったところで、こういう傾向は同世代(二十代後半)であれば、結構いるんじゃないかと思う。それは、20世紀末という回顧モードの時期に学生であったことと関係があるだろう。その頃の流行としては、モンド、サバービア、サントラブームなどがあり、DJ文化の隆盛によりアナログが見直されはじめたとともに再発CDが容易に入手できるようになった時期でもある。また、ジャンルが崩壊したと言われ、リスナーの関心が多方面に向かった時期でもあった。次第に情報が飽和状態になり、多方面を把握することが困難となった裏返しとして、今は局所的に聴く方へベクトルが向かっているような気がする。本を読み終えて、思ったこと。“現在”の『ロック・マガジン』が読みたい!! ちなみに、4/11の円盤大学は、篠原章さんがゲストなので、もしご興味のある方は、まず『日本ロック雑誌クロニクル』に目を通してみては如何でしょうか。きっといろいろと思うことがあるのではないかと思います。それから、今週4/4の円盤大学のゲストは、徳間ジャパン特販部の鍋島謙介さんです。
http://www.ohtabooks.com/view/newsInfo.cgi?index=287
http://www.enban.org/schedule.cgi


藤森照信の建築を特集した番組を観る。樹の上につくった茶室で、藤森照信赤瀬川原平南伸坊が寝そべっている姿がなんともよかった。ああいう大人になりたい!と思えるような社会であったらいいのに。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2004/0925.html