やればやるほどディスクシステム

nununununu2004-10-12

高円寺の円盤で「音がバンド名」のライブに参加した。まずは音がバンド名(川染+ホットトローチ)とUEHARASHUTAさんのセッション。幻想的なギターとコラージュ・サウンドの融合。魅惑的であった。次は音がバンド名と僕。ミキサーにコンプレッサーを繋げて使ってみた。相手のアクションに素直に応えるインプロに未来はないと思っているのだけど、彼らはあからさまな反応はせず各々別々のことをやっているようでいて、さりげなくバランスをとっている。参加してみてそれがよく分かった。厳しくも優しいのだ。自分の技を披露することに主眼を置いたり過去のスタイルをなぞって気持ちがよい、みたいなインプロがいまだ主流にあるように思える現在、彼らのあり方は誤解されやすいだろうけど、いたって真っ当な態度を表明していると思う。個人的には、インプロに楽しさを求める必要はないと思う(楽しい音楽は好き)。一転して「音がバンド名」のライブはエンターテイメントに重きを置いていてとても愉快だ。富田勲ブレイクビーツでスタート。そこに「宇宙って音鳴ってないっしょ」みたいなラップをふたり同時に被せるのでうまく聞き取れない。それが混沌としてていい。次にプロジェクターに「スーパーマリオブラザーズ」が写され、川染君が「♪やればやるほどディスクシステム」と歌った後、ホットトローチさんがマリオをジャンプさせて「チャリ〜ン」と鳴らす。などなど。ネタだけ説明するとお笑いかと誤解されそうだが、身の周りのものを用いて音楽の可能性を追求したら自然とこういうやり方になったのだろう。等身大の表現なのだ。美術手帖はいつ彼らを取りあげるのだろうか。(画像は彼らのバンド名である“音”が聴ける磁気テープ。50円。)